5882人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
あぁ……、そうか。
小宮さん、南条さんが好きなんだ。
会社ではなんとか部下として業務に専念しているけれど、こうやって外で会うと途端に意識するタイプなんだ。
「な……なにかしら? その目。三浦さん」
「いえ。なんでもないですよ。大丈夫ですか?」
年上なのに可愛いなと思いながら、ニコニコして彼女のコップにジャスミンティーを注ぎ足す。
「……飲みます? 酒」
「え?」
ふいに、南条さんが聞いてくる。
私は先日カッチン達と浴びるように飲んだから、正直そんなに飲みたいわけではないけれど、断るのも悪いなと思って、とりあえず、
「じゃあ、一杯だけ」
と答えた。
「小宮さんは?」
「あ……、じゃあ私も。一杯だけ」
小宮さんは、控えめに小さく人差し指を立てた。
最初のコメントを投稿しよう!