≪現在≫

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昼休憩終了10分前。 トイレで歯磨きを終えてフロアに戻ろうとすると、外から戻ってきた羽島さん南条さん古賀さん3人が廊下の向こうから歩いてきた。 「あ、南条さん。ちょっといいですか?」 さっきの小宮さんとの話を思い出し、即行動で声をかけると、 「はい」 と、無表情のイケメンは返事をして足を止める。 ちらりと羽島さんの視線を感じたけれど、なんとなく目を合わさないようにしてしまった。 羽島さんと古賀さんがフロアに入ったのを確認し、 「先日は、ありがとうございました。昨日一昨日と、南条さん朝から出てらしたので、お礼が言えずにすみません」 と頭を下げる。 「いえ」 短い返事に、やっぱりほんの少し緊張が顔を出す。 「あの後……、小宮さん、大丈夫でした?」 「はい」 「あ、そうですか。ハハ」
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