5405人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「今夜の件ですけど、どうします?」
トイレに行くためにフロアを出ると、廊下を反対側から歩いてきた南条さんに呼び止められた。
そうだ、今日は南条さんと食事に行くんだった。
立ち止まって少し考えた私は、南条さんを見上げて、
「おすすめのお店とかあります?」
と聞いてみる。
「創作イタリアンでもいいですか?」
「もちろんです。南条さんて、お店詳しいんですね」
「お客さんとのつきあいが多いですけどね」
円滑な会話に聞こえるけれど、私は笑顔ながら、彼は無表情だ。
多分ご飯の時もこうだろうな。
慣れてはきたものの、緊張は取れない。
「7時でも大丈夫ですか? 私のほうが早く上がると思うので、そこのスタバで南条さんを待ってますね」
最初のコメントを投稿しよう!