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「お疲れ様!」
「……なにこれ?」
「お疲れ様でした会をしようと思って」
「買いすぎじゃない? しかもこれ、そっちが好きなお菓子ばっか……」
手渡したパンパンのコンビニ袋の中身を見て、羽島さんが表情を固める。
家の近くの公園の、大きな木の下のベンチ。
先に座って待っていた羽島さんの横に、私は勢いよく座る。
「今から昼飯食べに行くのに、これ食べてから行くの? それとも手に提げていくわけ?」
呆れ顔の羽島さんに、
「じゃーん!」
とバッグから大きめの二段の重箱を取り出す。
「もしかして……弁当?」
「正解!」
「へぇ……。すごいね、意外と家庭て」
「お母さんに作ってもらっちゃった」
「……」
アハ、と笑うと、羽島さんの無表情に磨きがかかった。
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