≪10年前≫

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「お疲れ様!」 「……なにこれ?」 「お疲れ様でした会をしようと思って」 「買いすぎじゃない? しかもこれ、そっちが好きなお菓子ばっか……」 手渡したパンパンのコンビニ袋の中身を見て、羽島さんが表情を固める。 家の近くの公園の、大きな木の下のベンチ。 先に座って待っていた羽島さんの横に、私は勢いよく座る。 「今から昼飯食べに行くのに、これ食べてから行くの? それとも手に提げていくわけ?」 呆れ顔の羽島さんに、 「じゃーん!」 とバッグから大きめの二段の重箱を取り出す。 「もしかして……弁当?」 「正解!」 「へぇ……。すごいね、意外と家庭て」 「お母さんに作ってもらっちゃった」 「……」 アハ、と笑うと、羽島さんの無表情に磨きがかかった。
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