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「うわ。50点切ってやんの、この程度の小テストで」
「わあっ！ ヤゴ、勝手に覗き込まないでよ」
日本史のテストを覗き込んできたヤゴの肩を思いきり叩くと、ヤゴは「折れたし」と言って、腕を押さえておどけてみせる。
休み時間の教室。
半分は教室内、半分は廊下へと出ていく生徒達。
ガヤガヤとみんなが一斉に話している、いつもと変わらない風景。
今は2月。
来月で、このクラスともお別れだ。
「男にうつつを抜かしてるんじゃねーの？」
「違うもん」
私はさっきの授業で返ってきた答案用紙を畳んで机に押し込みながら、口を尖らせる。
「センター試験は終わったけど、本試験前だから、もう2週間以上会ってないし」
「へぇ。まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないわな」
座っていない隣の机に寄りかかりながら、ヤゴが腕組みをしながら頷く。
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