≪10年前≫

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午後二時。 かっちんと一緒にお昼ご飯を食べた後、学校から直接羽島さんの家へ向かった。 最寄りの駅で降りた私は、胸を押さえて大きく息を吐く。 なんせ、待ち合わせ場所が羽島さんの自宅。 前回のこともあって、いろいろと意識せずにはいられない。 「あ。羽島さん? 今、駅に着いたよ」 電話をしながら、駅を出口の方へ歩く。 『あー、わかった。今から……、と』 なにか言いかけて止めた羽島さんが、 『覚えてる? 道。一人で来れる?』 と続ける。 てっきり迎えに来てくれるのかと思ったけれど、前回来たときにしっかり道順をインプットしていた私は、 「もちろん!」 と元気よく答えた。 羽島さんは、『気を付けて』と電話を切った。
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