≪10年前≫

17/40

5126人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「こんにちは!」 「こんにちは」 「おじゃまします!」 「どうぞ」 「あ!」 羽島さんの家に着き、玄関に上がろうとしたところでハッと思い出し、 「卒業おめでとう!」 と、コンビニ袋を手渡す。 「ありがと。……プリン?」 「うん!」 勢いよく返事をしてニコニコしていると、 「犬みたい。無駄に元気」 と言われ、頭をクシャクシャと撫でられた。 私は直接来たから制服のままだけれど、羽島さんはすでに普段着に着替えていて、チノパンにロンT、その上にカーディガンを羽織っていた。 「駅に学生たくさんいた?」 部屋に入ると、羽島さんが前回と同じ場所に腰を下ろしながら聞いてくる。 「うん、羽島さんの学校の生徒も、うちの生徒もちらほら見たよ。卒業証書の筒持ってる人もいた」 「ふーん」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5126人が本棚に入れています
本棚に追加