≪10年前≫

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「……ん?」 目が覚めると、しばらくボーっとして天井を見た後、部屋の風景に違和感を覚えた。 すぐさま横を向くと、羽島さんの寝顔のアップに斜め上から見下ろされていて、危うく悲鳴を上げるところだった。 パッと顔を戻すと、わずかにベッドの軋む音がして、否応なしにこの状況を理解し、今までのことを思い出す。 うわー……。 ……。 うわーうわーうわーー……。 起こすといけないので、声を出さずに、心の中でジタバタする。 ……致してしまったんだ。 羽島さんと。 羽島さんと……。 一つひとつ詳細に思い出そうとしたけれど、恥ずかしさで転げ回ってしまいそうになり、ブンブンと頭を振って中断。 起きなかったかな、と再度羽島さんを見て、その睫毛が動いていないのを確認し、大きく深呼吸をした。      
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