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部屋の時計を見ると、午後5時前。
でも、天気が悪いからか、部屋は薄暗く感じた。
お互いそのまま無言でいると、背中に羽島さんの心臓の鼓動を感じる。
それに意識を集中していると、やっぱりさっきと同じ幸せな気持ちがじんわり胸に滲んで、おのずと頬が緩んできた。
初めての彼氏、初めての交際。
初めて尽くしでも、彼とこうなるのは必然だったんじゃないかと思うほど、私の中では自然なことだった。
私、多分、このままずっと羽島さんだけを好きな気がする。
そんな気しかしない。
「好きだなぁ」
「……」
回された羽島さんの腕に手を添えて、頬を寄せる。
「なんでこんなに好きなんだろう」
「……さぁ」
私の頭に顎を乗っける羽島さん。
肌にカサカサと当たる布団の感触が、妙に心地いい。
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