≪10年前≫

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沈黙が続いて、なんとなく気まずくなったので、 「あ、お菓子食べよう!」 と提案して、コンビニ袋をガサガサとあさる。 「飲み物なくなったから、なんか持ってくる」 羽島さんはそう言って立ち上がり、部屋から出て行った。 私は、チョコレートのお菓子を袋から出して、ソワソワしながら、正座している太ももを手でこする。 なんだか、自分の部屋に羽島さんを招いた時のことを思い出す。 2ヶ月前のあの日、初めてキスしたんだよなぁ……。 思い出した途端、頬が熱くなった。 いやいや、あれから何回かしちゃってるし、キス。 なに意識してるんだ、私は。 顔をパタパタと手の扇子であおぎ、意味もなく立ち上がる。 「わ」 そして、立ち上がった拍子によろけてしまい、羽島さんの勉強机の上に手をついた。
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