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「3組もそこでやるって言ってたから、合同じゃん。ラッキー、伊藤君も一緒だ」
「先生来んの?」
「いやいや、そこは呼ばないでいただきたい。てか、来ないっしょ、さすがに」
「電車まだ?」
「あと5分くらいじゃね?」
「つーか、今日の卒業式さー、俺の前に座ってた松木が……」
ガヤガヤとしたプラットホーム。
私の近くでそれぞれ話している男女数人の声が耳に入ってくる。
私服だけれど、話の内容からいって、多分卒業生だろうなと思った。
卒業……。
その言葉にまた羽島さんを思い出して……、いや、特に連想する言葉がなくても私の今の頭の中は羽島さんでいっぱいなんだけど、ほうっと、甘さと苦さの混ざったため息が出た。
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