≪10年前≫

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さっきバイバイしたばかりなんだけど、すでに会いたくなってしまっている。 ダメだなー、私。 こんなんでプチ遠距離恋愛、できるんだろうか。 「あ、来た来た。市原おせーよ、来ないのかと思った」 「わりわり」 3メートルほど横で話している男の子二人組にもう1人加わったみたいで、私はまた横目でちらりとそちらを見た。 あれ? あの人達……。 最初は私服だったからわからなかったけど、見覚えのある顔に、あれは朝電車でいつも一緒だった、羽島さんのお友達だということに気付く。 「あれ? 羽島は?」 「達樹は多分来ないよ。彼女と約束あるって言ってた」 「マジか。打ち首だな、女を優先するとは」 彼らの話に羽島さんの名前がいきなり登場して、しかも私のことまで言われていて、驚き過ぎて肩が上がる。
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