5126人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「愛の力?」
「ぶは。つーか、あんな美人にそこまで想われて、羽島も男冥利に尽きるな。大事にしてるのも頷ける」
「長いよね、あのカップル」
「2年の1学期からじゃなかったっけ?」
羽島さんの名前が再度出てきたことで、私の耳は他の音は拾わずに、まるで彼らの話をイヤホンで聞いているみたいになっていた。
手指に力が入らず、冷たくなっていくのがわかる。
あの人達、何の話をしてるんだろう。
なに、わけのわからないこと、言ってるんだろう。
「もともと家が近かったみたいで、幼馴染らしいよ。香澄が中学の時引っ越して……」
「おい、もうやめろ、リア充の話は。ひとり身の俺が惨めになるだろ」
「アハハ、ドンマイ」
「あ、電車来た」
最初のコメントを投稿しよう!