≪10年前≫

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羽島さんの、今の好きの数値はどのくらいになったんだろう。 わかりづらいけど、この、なんとなく想われてる感は、私の思い過ごしかな。 「なにニヤけてんの?」 「え? ニヤけてる?」 「うん」 「や、だって、……もしかしてヤキモチやいてるのかなー、なんて思ったりして。アハハ、アハハハハ」 「……」 「ハハハハハ」 「……」 「ハ……」 「……」 私の乾いた笑い声は、羽島さんの無言の圧力により、空しくもぺしゃんこになって消えた。 「……すみません」 私は謝って、立てた膝を寄せ、その腕の上に顎を乗せ、背中を丸める。 ……が。 「……」 前のテーブルを見ていた私の視界の真ん中に、隣の羽島さんの斜めにされた顔が急に出現して、息が止まった。
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