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固まった羽島さんを見てから、思わず笑ってしまったことに気付いた。
しかも自業自得で。
数秒黙した羽島さんは、その後、ゴツンと頭突きをしてきた。
「いった! ホントに何す……」
「もういい」
そのまま覆い被さってきた羽島さんは、私を抱きしめる腕に力を入れる。
なんで、そんなふてくされたような声を出されるのか、意味がわからない。
「痛い」
「うん」
「うん、じゃなくて」
「カナ」
「……」
同じシャンプーとボディソープの匂いを共有しながら、羽島さんの唇が私の耳の輪郭を辿る。
私を拘束していた腕が緩み、今度は指先で私の体を確かめていく。
「……カナ」
再度耳に流し込まれた艶のある声に、油断すると危うく泣いてしまいそうな私は、早々に目をつむった。
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