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唇と唇を何度も合わせて遊び、ゆっくりと探り合うように、でも誘い合うように口づけを深めていけば、息継ぎもままならなくなって、互いに息が上がりだす。
触れられれば触れられるほど、自分の気持ちに抗えなくなる。
この体温が気持ちいいのも、この重みが心地いいのも、この行為に充足感を覚えること自体、彼を好きだという証明に他ならないから。
考えれば考えるほど、整理しきれていない脳内は一層散らかっていくだけで、私はそれならばいっそ、と思考を手放し、彼との行為に没頭する。
揺らされる体も、湿気を帯びた息も、かすれた声も、汗も、匂いも、熱も、感触も、感覚も、神経も、細胞も、みんな素直で正直だ。
おいてけぼりにされた心が、暗闇で視線が絡まるたびに呼び起されたけれど、あえて私はそれを直視しなかった。
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