≪現在≫

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「なんか、あれだね」 「どれですか?」 「この前も思ったけど、寝顔も寝起きの顔も、可愛い。なんか無防備で」 「……」 さっき電話で他の女のことを喋っていた口が、何を言っているんだ。 そう心の中で罵りながらも、顔が熱くなるのを感じて、ふいっと顔を背ける。 「なに言ってるんですか」 「可愛い、って言ってる」 布団の上、私のすぐ横に手をついた羽島さん。 覗きこまれている感じが、いかにもからかっているみたいで、恥ずかしさと同時に、腹立たしさを覚える。 「そ……」 文句を言おうと顔を上げた時、今度は、羽島さんの顔が下を向き、口を緩く押さえているのに気付いた。 意表を突かれた私は、彼の耳が少し赤くなっているのを見て、まるで伝染したかのように顔の熱が上がる。
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