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「……」
あぁ……。ちょっと面倒なことに……。
とにかく今は話せる状況じゃないので、後日、ちゃんと説明しないといけなさそうだ。
……ちゃんと説明?
って、何て説明すべきなのか……。
「しっかし、南条さんてイケメンれすよね~」
呂律の怪しくなってきた古賀さんが、急に話のターゲットを南条さんに移す。
今2人で話していたからだろう、いつもはそんなに話さないのに、やけになれなれしい。
「俺、南条さんになら抱かれてもいいれす」
ゴンッ、と横で大きな音がした。
小宮さんが前に倒れて額をテーブルにぶつけた音だった。
まるでコントだ。
「嬉しくないですが、ありがとうございます」
南条さんは表情一つ変えず、グラスを口に運びながら言った。
小宮さんに関しては、酔っているのだろうとのことで、みんなスルーだ。
飲み会での彼女には慣れているようだ。
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