≪現在≫

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私は数秒その画面を眺めた後、 “あけましておめでとうございます。元気です” と打った。 「……」 続けて送信ボタンを押そうとして、指を止める。 ちょっと考えてから編集画面に戻り、最後に“そちらは?”の一言を付け加えて送った。 「会社と言えばさ……」 隣のヤゴが何かを話しかけた時、またケータイが鳴る。 すぐさま返ってきたメールは、写メだった。 「……」 こたつをバックに、ビールの空き缶を持っている右手のみの写真。 「えーっと……、羽島だったっけ? その後どうなの? 一緒の会社でやりづらくない?」 「えっ!」 思わずケータイを伏せ、ヤゴの顔を見る。 ケータイを覗き見たわけではなさそうだ。
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