≪現在≫

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その日は結局、ヤゴもカッチンも夜に用事があるということで、参拝の後、近くのカフェで軽い昼食を一緒に食べ、夕方近くまでブラブラして別れた。 カッチンに、「何か悩みがあるなら、言いなさいよ」と言われたけれど、私は笑って流した。 だって、言ったらカッチンにもヤゴにも反対されるに決まっている。 自分でもこの関係を正当化できていないのに、わざわざ相談して分かりきった説教を聞きたくはなかった。 それよりなにより、ヤゴが羽島さんと彼女を目撃したということ、10年前の誕生日に羽島さんが私に会いに来ていたということ、この二つの事実が、私の胸を予想以上にかき乱していた。 カッチンが来たということもあるし、ヤゴにもなんとなくつっこんで聞けない雰囲気で、そのままになってしまっていたけれど。
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