≪現在≫

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『ごめん。来てくれない?』 通話ボタンを押した途端、酒焼けしたような掠れた声が耳に響く。 ようやくきた連絡は、2日の午前11時だった。 別に昼間からがっつり会いたいと思っていたわけじゃないけれど、昨夜連絡があるだろうと勝手に思い込んで勝手に空しくなっていた私は、素直に「行く」と即答できなかった。 これだから、約束は嫌いだ。 独りよがりな期待と思い込みに振り回される。 「……二日酔いですか?」 『昼過ぎには治ると思う』 「今日はもうやめません?」 半分物置と化した自分の部屋のベッドに座り、窓からよく晴れた空を見ながら言うと、 『やめません』 と、咳と一緒にハスキーな声が返ってくる。
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