≪現在≫

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「あぁ。『カナはお前みたいなクソ男の顔なんか絶対に見たくないって言ってるし、俺とつきあうことになったから、お引き取り下さい』ってホラ吹いた」 「は?」 「『避けられてるのに家にまで来るなんてストーカー行為ですよ。警察呼びましょうか?』とか、他にもいろいろ言ったかな。そしたら、すっげぇ冷ややかな顔をしながら帰って行った」 「……」 過去とはいえ、いたたまれないような申し訳ないような気持ちになって、聞かなきゃよかった、と思った。 でも、羽島さんが私とヤゴが交際していたと勘違いしていたのは頷けた。 ここに誤解の種が蒔いてあったのか。 「あ」 その時、ヤゴが噴水の手前のほうを見て、声を出した。 なにかあったのかと、私もヤゴの視線の先を辿る。
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