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「俺も腹ん中にため込んで、長引かせてこじらせたクチだから」
「は? なにが? なにを?」
「言わねーよ」
「なによそれ」
「まぁ、なにかあったら頼れよ。友情は一生もんだからな」
「……なに言ってるのよ。今ので信用ガタ落ちだし」
「アハハ」
「いや、笑いごとじゃないし」
なおも笑っているヤゴは、私の頭を思いきりぐちゃぐちゃに撫でまわし、
「頑張れよ、明日。近いうち残念会を開いてやるよ」
と言って離れた。
簡単に言ってくれるな、と思いながら、「じゃーな。会社もどるわ」と手を振って街の方へ遠ざかっていくヤゴを睨み、その顔のままで手を上げる。
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