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南条さんには、羽島さんが元カレだということ以外、特に詳細を話したわけではない。
でも、なぜだか、私と羽島さんのことを全部わかっているかのような雰囲気だから、不思議だ。
「アホですよ」
「はい?」
おおよそ南条さんらしからぬ言葉に、驚いて聞き返す。
目を細めてもうひと口飲み、息を吐いた彼は、
「男は。みんな」
と付け加えた。
「……」
はい、とも、いいえ、とも言い難く、私は南条さんの無表情を窺い見ながら、
「南条さんも……ですか?」
と聞いてみる。
「先頭集団にいるかと」
「ハハ」
表情こそ変わらないけれど、この人も冗談を言うんだ、と思って、思わず笑ってしまう。
南条さんはそんな私を見て、
「だから、三浦さんもたまにはそれに合わせればいい」
と言った。
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