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朝、社員として普通に挨拶をして、普通に指示を受け、普通に見送った彼と、今夜、普通じゃない話をする。
……彼女は、昨日ヤゴが言った件について、羽島さんに問い詰めたのだろうか。
そうだとしても、そうじゃなかったとしても、なにを、どこから、どこまで、どういうふうに伝えるべきなのか、今でも頭の中は雑然としたまま、整理できていなかった。
「いいだろ、有意義な研修の後は、有意義に酒飲んで語るもんだろ」
「だから、今夜は先約があるって言ってるじゃ――」
「――あ。羽島んとこの三浦さん」
ポーン、という音の後に話しながらエレベーターを出てきたのは、羽島さんと堤課長だった。
私は、予期していなかったことに驚いて、目を見開いたまま立ちすくむ。
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