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「課長! だから聞いてます!? 俺の話。寝ないでくださいよ」
「……あ? なにここ?」
「うーわ、寝ぼけてる。2課の新年会で、前回と同じバー来てるんじゃないっすか!」
「新年会……」
そうだった。
1月も末だというのに、古賀がやりたいやりたいと無理やり開いた新年会。
昨年末にお疲れ会をしたばかりだから、新鮮味が全くない。
「どうぞ」
傍らにさりげなく置かれた、薄茶色の液体が入ったグラス。
ウーロンハイかと思って一口飲むと、ただのウーロン茶だった。
「どーも。三浦さん」
「いえ」
そっけなくそう言って、自分の席に戻るカナ。
「……」
なんでカナはいつも南条の隣なのだろうか。
俺はうるさい古賀と小宮さんに挟まれているというのに。
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