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さらけ出されたおでこ。
半乾きの髪が短いくせに色気をまとっていて、表情のあどけなさとのギャップでタチが悪い。
「ねぇ、もしかして……」
「菜乃香」
「……」
「髪、伸ばして」
不意に名前を呼んだからだろうか、おでこと首まで赤くした彼女は、
「またそれ? 昔の影追いすぎじゃないの?」
と、子どもみたいに拗ねた顔を作って横を向いた。
腹立たしくも可愛く思えるのは、惚れた弱みだろうか。
「いいから」
そう言って自分の体とともに彼女をベッドに沈めれば、
「やだ」
と返ってくる。
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