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「名前っていうのはね、呼ばれる度にかけがえのないものになっていくものだと…私思うの。だからかわいい名前をつけてもらえてうれしいわ。沢山の人に呼ばれて、あなたにつけてもらった名前…大切にするから。
ふふっ、じゃあ私はこれで失礼するわ。貴方たちも気をつけてね。良い旅を♪」
「え…マリアお姉ちゃん一緒に来てくれないの?」
不安そうに見つめるエリザベスに、マリアは本当に姉のように優しく頭をなでる。
「ここまできたら大丈夫。このあたりは獣もいなさそうだし、明るいうちに行動したら安全よ。」
まさに『マリア様』のような微笑みをこぼしながら妹を安心させている姿に、俺もしっかりせねばと気合いをいれなおす。
「ほんとありがとなマリア。お前も気をつけろよ。」
そういうと、今までにはない不敵な笑みで銃を手にもち凛々しく立ち上がる。その姿はまさに『戦場の女神』だ。
「誰にいってるの坊や?私の銃さばきについてこれる存在なんて、そうそういないわ。じゃあね…またどこかで会いましょう。」
どっこまでも変わった人だな…と思いながら、まぁこの調子ならまったく問題ないだろうと苦笑する。
「お兄ちゃんも早くいこ!エルサさんまってるよ!」
「おう!」
***
これが、私が『蒼詠マリア』になる前の…『マリア』という名前をもらった物語の一部始終よ。
かわいい名前でしょ?『蒼詠』は自分でつけた名前なのだけど、うふふ…その話はまた次回にしましょう。
ねぇ、ここはどこなの?
ねぇ、どうして私しかいないの?
ねぇ、どうして私は生み出されたの?
ねぇ、私は
『だあれ』…?
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