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「あっぶなかったぁ~…」
砂丘をぬけて小さな森に逃げ込んだ3人は、一安心して腰をすえている。
例の女性はラグダの労をねぎらっているのか、マッサージを行っているようだ。
すっかり横になってだらけているラグダに、囁くように官能的な声で女性は語りかける。
「あら、ここが気持ちいいの?…それとも、ふふっ、ここかしら?」
…………いかがわしい。なんかいかがわしい。相棒が羨ましい…じゃなくて!!
「ゴホン!えっと…まずは助けてくれてありがとう。」
気まずくなり咳払いで遮ると、ふりかえった女性は優しげな声で。
「いいえ、気にしなくていいわよ。わたし困っている人たすけるの好きなの。」
布に隠れて顔が良く見えないが、微笑んでいるのが口元からわかる。
「ねぇ!おねえちゃん顔なんでかくしてるの?」
羨望の眼差しで女性の顔をのぞき込む妹に「砂嵐から守るためよ」と説明している。…体はいいのか、めっちゃでてるぞ、腹とか足とかむ…む…む………、ま、まぁ本人がいいならいいか…。
「それじゃあ。もうそろそろ自己紹介もしようかしら。っていっても名前はないんだけど…まぁ『謎の女』とでも呼んでちょうだい。」
そういって布をとって笑みを浮かべた女性は…黄金の髪をもった、蒼眼の女神だった。
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