第1楽章

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――政、宗…… 八重の唇が、彼の名に形を変える。 広告を出している企業は、八重の仕事関係先だった。 高鳴る鼓動。 膨らむ欲求。 ――欲しい 後でお願いしてみよう 横に打ち出されている、パフォーマンス開催日時を覚えた。 見惚れていても、気は回る。 高貴なのに、艶かしくさえ感じるその表情は彼らしくて。 ――お帰りなさい 少し弾んだ心の中、八重はポスターを見詰めて囁いた。
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