第1楽章

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――言葉にしなきゃ でも――言えないんでしょ? 「エラそー」 口調は、不満げでも。 どこか嬉しそうで。 難アリ、の性格。 圧倒的に足りない言葉。 頼れるモノは、 空気と、仕草。 少し伸びた髪。 温度が無さそうな眼差し。 表情に乏しい皮膚。 横に形よく引き結ばれた唇。 端正な顔立ちとは違って、ぞんざいな態度なのに。 柔らかい光を受けた髪が、空気をまろやかにする。 ――もう少し あと、もう少し
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