第1楽章 #2

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明るい調子で、 屈託なく話す奥平チーフに、 思わず、安堵する。 「接する機会が増えると、長年連れ添った夫婦のような空気が生じて、定着してきたのかも知れませんね」 下手に流さず。 よく言われます、的な感じで。(よく言われるワケないけど) 「あはは、そうかもね」 奥平チーフは。 砕けた口調で笑いながら、 相槌を打ってくれた。 たとえ。 私と、匠がどんな関係でも、 特に気にしない。 あしらい方から、 そんな風にも、受け取れる。 ホントは。 一瞬だけ戦慄いたし、 その慧眼に、敬服した。
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