第1楽章 #2

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そんなこと、全く構わないのに そう呟いた奥平チーフ。 「総務課、秘書課手伝いより、ほとんど営業事務になってきたものね。“委託社員”は、的になりやすいし」 奥平チーフの、 言いたいコトは、分かる。 『“委託社員”の癖に、でしゃばり』 白澤印刷の正社員から、 くだらない蔑みが囁かれるコト。 「そのこと以外にも、何かあるなら……私が対応出来ることも他も、何でも話してくれて良いから」 目端の利く、心遣いに、 申し訳なくなって。 「何も、ないです。――何も」 ただ、そう繰り返した。
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