第1楽章 #2

36/38
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
移動した先はお洒落なお店。 ペンギンが二匹、 水槽の中で眠そうにしていた。 「で、仕事の話なんだけど」 奥平チーフは淡々と、 トルコライスを口にしながら言う。 「中途半端になるくらいなら、総務課には新人を入れた方が良い、っていう判断だと受け取ってもいい?」 そんな簡単に、 人員を増やせるはずないけど。 私は頷いて、 意思表示をする。 「なるほど。わかったわ」 一から人を育てるのは、 とても労力が要る。 けれど委託は。 一人、入れるなら、 一人、退くのが当然。 大変さは分かっていても、 いずれ退く身なら。 なるべく早く、 手を打っておきたかった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!