第1楽章 #2

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そんなコトを言ってたら。 奥平チーフの方がもっと、 やりきれないハズなのに。 「……済みません」 言いたくても、言えない。 委託社員、奥平チーフの立場に、 何と謝ればいいのか。 「大丈夫よ。むしろ先に庇ってあげられなかった事、ごめんなさいね」 上司として、 部下をサポートしながら。 委託の本社と、白澤印刷。 両方の架け橋を、 しなければならない人は。 ジレンマを、 口にすることもなく。 寂しそうに、微笑んでくれた。
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