第1楽章 #4

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下手に元気づけるような、 そんな適当なことはしたくない。 八重は、自分の中の引き出しを、 ひっくり返した。 初めて直接、 政宗のアドレスに《返信》する。 それだけでも、 八重にとっては大仕事。 《聞ける相手なら、直接聞くしかないと思います。簡単にそう出来ない気持ちも、痛いほど分かります。  柿原八重》 それが、 八重の精一杯、だった。 実際。 メールで問えるようになっても、 政宗には、聞けないという気持ち。 そんな八重自身の想いと、 重ね合わせた言葉だった。
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