第3楽章

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2DKの家で本当に夕食を作る匠。 ベビーベッドは洋室に移した。 匠と私は。 食後の片付けをしてから和室で、 スクエアのテーブルを挟んでいた。 スッ、と手が伸びてきて、 私の手首が、匠の長い指に捕まる。 「ひとりにして……ごめんな」 震えるような吐息で、 匠が、そう言った。 それは。 匠が、2歳下の妹に、 時を超えて伝えた想いに聞こえた。 カオが、上げられない。 掴まれた手首が熱くて、 やっぱり、脈打っていた。 嘘をつき続けていれば、逢える 打ち消しながら、そう考えてた。 もう全部、メッキは剥がれたのに、 伝わる熱が確かで、狼狽える。
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