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†【ホドけない】†
――――最初は。
生真面目でおとなしそうに見えて、
強気に放つ眼差しが印象に残って。
フワリ、と微かに残る、
女性用じゃない香水が、“誰かのモノ”だと象徴していて。
束ねた髪が、ドコでホドけるのかと、気になり始めて。
時折見える、拒絶の信号が怖いくらいにミステリアスで。
抜き差しならないほど、
乱れる姿が見たくなって。
この手で、
ホドきたくなった――――
匠は。
私のカラダに指と唇を這わせて、
私の印象を、溢していく。
――ダメじゃない……
まんまと私の策略に嵌まっちゃって
よく今まで無事だったね
そう思うのに――動悸は速くなる。
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