第3楽章

35/36
前へ
/37ページ
次へ
匠が“兄”という関係は。 ホドけないモノで、 終わらない。 なんでこんなに、 相性がイイのか、分からない。 眼下で揺れる、腰が淫らで、 下腹部から大腿にかけて、ジワリと、力がホドけていく。 迫り上がる、マヒが。 恍惚感を連れてきて、 匠の指を噛む。 「マダ、だ――もっと、欲しがれ」 匠の。 温度のないハズの瞳が熱くなって、 本領発揮の、合図。 何の目的もなく、計画もなく、 肌を重ねたコトはなかった。 ――ここにいるのは、ダレ? 苦しいくらい。 私は、女で、 匠は、男。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加