第3楽章 #2

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母は。 白澤有雅を見る時はいつも、 哀しそうだった。 その中に、 愛おしさみたいなものもあって。 母はとても苦しいのだと、 思っていた。 家族を増やすことは駄目だと、 母は言っていたのに。 何が、あったんだろう。 私は、 手放しでは喜べなかった。 それでも弟は。 誰にも似ていなかったけれど、 綺麗だった。 まだ、小さすぎたから、 白澤有雅に似ていなくて良かった。 私は、そう思った。 母の哀しい眼差しは、 私の胸まで痛くなる。 母が弟に母乳を与える姿は、 神々しくさえあった。
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