第4楽章

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ドコか、 切れない関係だと、自信があった。 “兄妹”だから。 切れるワケないって。 そんな思考に甘えて。 そんな絆に甘えて。 私は大バカだ。 分かってもらおう、なんて、 思ってたんじゃない。 そんなコトが吹っ飛ぶくらい、 守られていた自分にヘドが出る。 匠も、美濃部さんも。 2人の兄たちは、世論の熱さを知っていたのに、 私の耳に届かないようにした。 美濃部さんは、情報検索のツールを私から奪って。 匠は“教えない、話さない”コトで。 電車の中の、広告の文字。 乗車してる人々。 全てが、針みたいに突き刺さる。
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