第4楽章 #2

30/32

23人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「もっと、扇情的にしろ」 冷たい声で、 白澤有雅が奥平チーフに命じる。 機械仕掛けのような動きで、 奥平チーフのカラダが反応した。 ベッドの上で。 上向きの匠に跨がる奥平チーフを、 白澤有雅が横から撫で始める。 途端に、奥平チーフは。 しなやかに喘いで、 息を吹き返したように見えた。 「……私の名前を呼ばないのは……一ノ瀬さんのお母様の所為ですか……?」 吐息の合間。 奥平チーフの声が溢れて、 白澤有雅が動きを止める。 そう、か 私の母は雅(ミヤビ)で 奥平チーフは美也子(ミヤコ) ……白澤有雅は……呼べないんだ
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加