第4楽章 #2

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政宗からは色香が溢れていて、 八重は目を逸らした。 「お父さん。僕から少し、説明してもよろしいですか?」 白澤有雅は、政宗に向かって頷く。 それも、八重は見たことがないような、慈愛に満ちた表情で。 「こちらにいる僕の父から、白澤印刷は僕が引き継ぎます」 政宗は、凛とした姿勢で告げる。 「父は白澤印刷の全持ち株を譲渡しました。M&A(企業買収)が完了するまでは、他社の役員も兼ねます」 それは恐らく、白澤有雅が。 白澤印刷の会長でありながら、 白澤印刷を他社に買収させて。 白澤印刷の買収先の役員を兼任する、ということだろう。 買収先と繋がって、混乱が落ち着いた頃、白澤印刷を取り戻すのか。 政宗を使って。
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