第4楽章 #3

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纏いつく布地を、 無造作に流して、 堕天使みたいに微笑む匠のカオ。 こんな時でも、 息を呑むほど麗しい。 鍛え上げられた逞しい体躯は。 やっと、生気を伴っていて、 はだけていても、しどけなくても、 安堵する。 乱れた、匠の柔らかい髪が、 額と頬にかかっていて。 かきあげて、整えたいと思うほど、 触れたくてたまらなくなった。 「奥平サンじゃムリだから。俺の上からどいてよ」 ドコか。 底冷えする微笑をたたえて、 身なりを整え始めた匠は。 多少、温度を上げたような、 妖艶にも見える流し目を使って。 白澤有雅と、 私の後ろの政宗を交互に眺めた。
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