最終楽章 #2

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††† 美濃部さんの迅速な対応のお陰で、 病院へ担ぎ込まれた奥平チーフ。 と、私。 奥平チーフは、 臓器損傷の一歩手前で。 細身のペーパーナイフを、 下手に抜いたり、動かさなかった美濃部さんの判断が、 褒められていた。 私は、 やっぱり右耳の中へ。 一瞬でも、 ペーパーナイフを、力任せに押し込まれていて。 カタカナの『コ』の字の形をしているらしい、“耳骨”の一角が、 折れていた。 つまり、 鼓膜を突き破られた上、その奥にあった耳骨を骨折。 右耳の聴覚機能が損傷していた。
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