最終楽章 #2

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細身のペーパーナイフは、 耳掻き並みだと思えるほど、細くて鋭いモノだったから。 刺さった周辺が痛むのは当然。 三半規管の狂いから、 吐き気や諸々が起きているらしい。 片耳だけの症状なのに、 三半規管の素晴らしさを痛感する。 鼓膜は、 自動的に再生するみたいだけど。 耳骨骨折は、 右耳の後ろから切開して、人工的な骨を入れるか。 折れた骨を廃除して直結させるか。 どちらにしても、手術になる。 手術した後も、 左耳より。 以前の右耳より。 聴力は落ちる、と聞かされて。 匠のキレイなカオが、 思い切り曇った。
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