番外編 和(カン)

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おゆうぎかいの、つまんないれんしゅうがおわって。 幼稚園のバスじかんまちで、そとであそぶたびに、 へんなオッサンが、だいたいいる。 ボクを、みてくる。 しらないおとなだ。 でも、みてくるだけだから、 クールに、むしした。 ねるまえになってから、 パソコンのでんわで、おやぢをよびだしてみる。 『……カンー……時差って知ってる?』 「いまどの国にいるかしらねーし」 『……ほぼ、明け方なんだよ』 おやぢのあたまは、ボサボサで、 ねむそーなカオだった。 おやぢのしごとは、よくしらない。 いつも、どこかの国へとんでる。 だけど、 だいたいちゃんと、でんわにでる。 「そんなことはいーから。ボク、いま“しょたこん”にねらわれてんだ」 『……は?』 「お母さんにはいうなよ?」 『っ、コラてめぇっ! “ショタコン”なんて、どこで覚えたんだ!』 「ワタルたちにきまってんだろ」 『くっそ! アイツら……』 おやぢのさけびも、クールにむし。 かんたんに、へんなオッサンのこと、とくちょうを話したら、 おやぢが、だまった。
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