番外編 和(カン)

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『カン……おまえ、そのへんなオッサンと話したい?』 「んー? とくには」 『幼稚園から出ないならイイぞ』 「ふぅん」 ふはっ、っておやぢがわらう。 おやぢがわらうたびに、 ボクと似てないって、おもう。 お母さんは、ボクがおやぢに似てきたっていうけど、 カオは似てない。 おやぢは、ヨーロッパで、 ボクは、おりえんたる。 (マサムネがいってた) ボクは、お母さんに似てる。 『他に聞きたいコトは?』 「あ、じゃあ……すきなひとをだくのって、おかしくなるほどキモチイイもんなのか?」 ぶほっ! 、って。 おやぢがふきだしたから、 きくあいてをミスったとおもった。 『お……まえ! それもアイツらか!』 「いや? おやぢもだよ」 『……へ?』 「よくお母さんだいて、いってるだろ。『美森をだくとおかしくなるほどキモチイイ』って」 パソコンのむこうで、 おやぢが、とまった。 はぐらかされるんだとおもったら。 『……相手のコトを想って抱きしめられたら、お互いキモチイイんだよ。じゃ、早く寝て、カンも頑張れよ』 まじめなカオしたおやぢが、ちゃんとおしえてくれた。
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