番外編 和(カン)

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ワタルの車で、マサムネにあいにいくとちゅう、 けっきょく、ワタルにぜんぶ話をききだされた。 へんなオッサンのこと。 幼稚園のハグのこと。 お母さんの、げんきがへったこと。 どっかのホテルについたら、 へやでマサムネがまってて。 ワタルがボクよりさきにぜんぶ、マサムネに話すから、 1人でルームサービスをたべた。 (スイーツがウマい) 「ああ、なるほど。匠くん、『今度こそ、最初から俺を巻き込めよ』って八重ちゃんに言ったらしいよ」 「じゃ、大丈夫だね」 マサムネとワタルがうなずく。 でもボクには、 2人の話がわからない。 みつめてたら、ワタルがきづいた。 「美森ちゃんはね。少ぅし、不幸体質なんだ。自分だけ幸せだと、悪いなって思っちゃうんだね」 「あ? だれに?」 「んー? 血の繋がったヒトに?」 ……ききかえすか? 「避妊率ってコンドームだと50%しかなくて、ピルだと90%くらいだろ? そんな感じ?」 「兄さん。そのたとえは自主規制にして欲しいかな」 ……ぜんっぜん、わかんねぇ……。 「カンくん。匠くんの言うこと聞いてたら大丈夫だよ」 マサムネが、えがおでいうから、 しかたなく……うなずいた。
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