番外編 和(カン)

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「……お母さん。コトバがあらくてもそうじゃなくても、ウワベしかみてないひとには、つかいわけるよ」 「――っ……」 『――カン、さすが俺の子! 俺とおんなじコト言ってる!』 ……んだと? おやぢも、いってたのか。 『上品にしてもそうじゃなくても、どうせ上辺しか見てないヤツには……って、俺言ったんだよなぁ――』 「――も、ヤだ……」 「え!? お母さん?」 『俺がイヤなのか? カンだよな?』 「……っ、んでだよ! おやぢだろ!」 ボクとおやぢが、いいあってたら、 お母さんが、わらいだした。 だからつい。 ボクもおやぢも、わらった。 おゆうぎかい、はもうすぐだ。 “いしょう”をきてれんしゅうする。 って、いっても、 やるのは、“うらしまたろう”。 おうじさまっぽくないし、どっちかっつうと、ジミだ。 まぁ、おうじさまなんてしたら。 さやかちゃんと、きよのちゃんが、 たぶんまた、おしのけあう。 さいきん、先生たちは、 女のこたちのシュラバをみても、 とめない。 「カンくん、モテモテだね」って、 おもしろがってるくらいだ。 だからボクは、 クールにする。 ウカれたりなんかしたら…… ガキだ。
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